もーりーの徒然

福島県出身の27歳。英語学習、海外、読書、野球。アウトプットの場所。

白い巨塔

厳めしいタイトルが興味をそそる『白い巨塔』。私の好きな作家である山崎豊子氏の代表作である。

元々小説で読んだ際、抜群に面白かったのだが、2003年にドラマ化された作品をフジテレビオンデマンドで視聴したので今回のネタにしてみた(ちなみに2018年にも岡田准一主演でリメイクされている)。

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あらすじ:

国立大学の医学部第一外科の助教授である財前五郎(唐沢寿明)は天才的なメス捌きで数々の食道癌手術を成功させてきた。当然時期教授候補の筆頭と目されていたが、彼の傲慢な態度を好意的に思わない院内派閥と教授選でぶつかり合う。本作後半は同主人公が手術を担当した患者が死亡し、術後の不誠実な診察に疑問を呈した患者遺族によって起こされた裁判を中心に描かれる。

 

まず、白い巨塔の由来だが、「象牙の塔」という表現があるらしい。

学者が、現実を逃避して観念的な態度で送る学究生活やその研究室

出典:コトバンク

つまりは研究者が我が道を突き進み、俗世とはかけ離れた生活や考え方で生きているということか、ふむふむ。

確かに本作中でも大学病院という閉ざされた空間の中で、確かなオペの腕と名声を求めて闊歩する財前と医学の発展という崇高な使命を抱き、患者に寄り添い地道に研究を続ける里見脩二(江口洋介)という同期二人の対照的な生き方が描かれている。

 

 

本作の一番の見どころはこの対照的な考え方を持つライバルの強烈な鍔迫り合いである。財前は自分のオペの腕前や政治力に自信をにじませているのだが、唯一同期である里見の真摯な態度と実力を渋々認めている。終始財前が強気に自身の道を切り開いていくのだが、時折見せる弱さに人間味もにじみ、視聴者としては財前を嫌いになれない。

 

2003年当時はまだ私も小学生だったが間違いなくモンスタードラマだったのだろう。猜疑心渦巻く心情表現が重要なドラマを現在の実力派俳優たちが彩っている。

そして原作を書いた山崎豊子氏の取材力にも圧倒される。

毎日新聞の記者として働きながら書いた作品の数々は『華麗なる一族』、『二つの祖国』、『沈まぬ太陽』など社会派小説の代表作ばかりである。これだけ多様な分野における社会の闇を小説という形で世の中に投げかけたことに敬服する。

そしてそのような偉大な作家さんの作品を時代を超えて観賞できることが大変幸せである。