今回振り返る本はこちらになります。
『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』 監修 デイビッド・セイン
題名の通り各州を図解しつつ、主要産業や歴史、著名人を分かりやすく説明してくれます。また、合間合間にコラムとして今日のアメリカ合衆国を形成した南北戦争や、銃規制問題、ブラックライブスマター等を取り上げています。
今回はそのコラムの中からアメリカ大統領選挙を取り上げます。
バラク・オバマ、ドナルド・トランプなど、アメリカ大統領と言えば太平洋を越えた日本人にとっても馴染みのある関心事です。議論好きなイメージのアメリカの中でも国を上げて討論が巻き起こる、この一大イベントの仕組みについて今回は興味を持ちました。
それではアメリカ大統領選挙を紐解くために、1年間の流れと各項目に分けて書いてみます。
アメリカ大統領選は1年間のマラソンレースです。選挙は以下のように進行します。また、大統領と共に副大統領も同時に選出されます。そしてアメリカは民主党と共和党の二大政党制を採用しているため、今回の説明は無所属を省くこととします。
1年間の流れ
各項目
- 候補者が出馬表明
大統領候補の資格はアメリカ生まれの市民で、35歳以上、14年間以上アメリカに住んでいることです。
- 予備選挙(各党の候補者を決定する)
上記の予備選挙は広義になりまして、内容としては以下の2ステップを踏みます。
- 党員集会・予備選挙(狭義)
各州であらかじめ割り振られている数の「代議員」を選出します。その代議員はそれぞれに意中の候補者がおり、その候補者を指名する代議員を選出するという仕組みです。方法として、党員大会と予備選挙があります。各州、政党によってどちらを行うかは異なりますが、いずれにしても代議員の選出を行うことがゴールです。
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- 党員集会 → 政党主導で党員が議論を行い選出
また、候補者選びのヤマ場は3月の第2火曜日に「スーパーチューズデー」と呼ばれ、党員集会・予備選挙がこぞって行われます。ここで全代議員の約3分の1が決定し、各候補者は勝敗を見定めながら継続して戦うのか降りるのかを決め、そのメンバーが絞り込まれます。
- 全国党大会
予備選挙で選出された代議員が各党の大統領候補者を指名・選出します。実質は獲得した代議員の数が過半数に達した時点でその党の大統領候補者が決まっています。
- 本選挙
予備選挙で選出された民主・共和党の各代表者が争います。各州には人口に応じて割り当てられた「選挙人」がいて、彼らには大統領を選ぶ権限があります。全国で538名おり、そのうちの過半数である270名を獲得した候補者が大統領に選出されます。
また、この本選挙では「勝者総どり方式」を採用しており、各州で1票でも各選挙人の指示が多い候補者がその州のすべての選挙人を獲得します。例えば最大の票田であるカリフォルニア州の選挙人の数は55ですが、たいしてノースダコタの場合は勝利してもたったの3票しか得られません。
- 選挙人による投票
9~10月にかけて行われるTV討論会などを経て、11月に一般投票。有権者たちが自分の指示する候補者に投票します。この結果で事実上次期大統領が決定します。
以下は前回大統領選の本選挙結果です。
- 大統領就任
有権者によってえらばれた各州選挙人が12月に投票を行い、正式に大統領が決定、1月には正式就任となります。
以上になります。
いかがだったでしょうか、調べてみて感じたのはアメリカ大統領選を複雑にしてるのは有権者が候補者を直接指名するのではなく、予備選挙での代議員、本選挙での選挙人と間接選挙制度をとっているからだと思います。これで少しは4年に1回行われる太平洋の向こう側でのお祭り騒ぎに乗っかれるようになったかな。
最後に、今回非常に参考にしたNHKのサイトurlを張り付けて締めとしておきます。
非常に長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました!